ソファの座り心地は、デザインやカバーよりも、内部に使用する材料(=中材)によって大きく変わります。
ポケットコイル・発泡ビーズ・羽毛など、小売店には様々な中材のソファが販売されていますね。
見た目が同じソファであっても、材料の種類・密度・厚みの違いによって、座ったときの印象はまったく異なります。
ウレタンスポンジは、硬さの種類が豊富で、複数のスポンジを組み合わせて使用するのにも適しているため、使う人の好みに合わせて座り心地を調整しやすい材料です。
スポンジ専門店ソフトプレンでも、椅子やソファの座面用のスポンジのご相談をたくさんいただきます。
DIYでソファや椅子を製作・リフォームする場合、
「どのウレタンを選ぶか」だけでなく、「どういう構造で使うか」が完成後の満足度を大きく左右します。
この記事では、実際の相談でよくお受けする内容をもとに、座り心地づくりで最初に理解しておくべき考え方を整理して解説します。
ソファの座り心地はウレタンの選び方で決まる
ウレタンスポンジは、反発力や密度の種類が豊富で、複数のスポンジを組み合わせて理想の座り心地をつくることができます。
当店でも、ソファや椅子の座面づくりに関するご相談は非常に多く、DIYでも取り入れやすい素材として人気があります。
座り心地を構成する主な要素は次の三つです。
1. 構造(1層か2層か)
2. 反発力(沈み方・戻り方)
3. 厚み(底付き・沈み込み量)
これらは単独で決まるものではなく、互いに影響し合う関係にあります。
中でも最初に押さえるべきなのが「構造」です。
座り心地は構造で決まる|1層構造と2層構造
DIY初心者の方の多くが、まず「どのウレタンを買えばいいか?」と考えます。
しかし実際には、素材そのものよりも、構造の組み方のほうが座り心地に直結します。
1層構造とは
1種類のウレタンで座面を作る、シンプルな方法です。
当店では、1層構造には高密度で沈み込みが少ないウレタンチップスポンジをおすすめしています。

特徴
・貼り合わせの必要がなく、作業が簡単
・安価な再生材のためコストを抑えられる
主に厚みが薄い座面や、沈み込みにくく硬めの座り心地がお好みの場合におすすめするケースが多いです。
2層構造とは
異なる性質のウレタンを上下に重ね、上層と下層で役割を分けてつくる方法です。
上層(体が触れる部分)
→ 座った瞬間の柔らかさ・フィット感をつくる役割
下層(支える部分)
→ 底付きや沈み込みすぎを防ぎ、荷重をしっかり受け止める役割

特徴
・柔らかさと支えのバランスをつくりやすい
・疲れにくく、へたりにくい
市販の椅子やソファにも2層構造が採用されているものは多く、DIYでも仕上がりの差が大きく出やすいポイントです。
【補足】2層構造が適していないケースとは?
基本的には2層構造をおすすめしていますが、すべての座面に最適とは限りません。
・座面が薄い
・使用者の体重が重い
・しっかり硬い座り心地を求めている
こうした条件では、上層のスポンジが十分に機能せず、かえって底付きや違和感につながることもあります。
※ 底付き:スポンジが完全に沈みこんで床に当たったように感じること
特に、厚みが限られている場合は、無理に2層にせず、1層で「支える力」を優先したほうが失敗しにくいこともあります。
厚み・使用者の体格・求める感触を踏まえ、1層か2層かを最初に判断することが重要になります。
役割別 当店で選べる素材ラインナップ
構造を理解したところで、当店で取り扱っている、ソファの座面におすすめのウレタンスポンジ一覧を簡単にご紹介します。
詳しい違いは後編で解説します。こちらもぜひご一読ください。
上層におすすめのスポンジ
上層のスポンジは、座ったときの一番最初の感触を決める層です。
低反発であればじんわりフィットするような感触、高弾性のスポンジであれば弾むような感触に仕上がります。
当店では、市販の椅子やソファ、マットレスにも使用されているスポンジを、4種類取り揃えています。




厚みが増すほど、そのスポンジの硬さや反発といった特徴が強く出やすいです。
そのため、やわらかい素材は厚みの決め方に注意が必要です。
下層におすすめのスポンジ
下層は、底付きや沈み込みを防ぎ、体をしっかり支える役割を持ちます。
また、厚くすることで、沈み込みにくくかっちりとした座り心地に仕上げることが可能です。
下層におすすめするウレタンチップスポンジは、当店では、硬さ・密度が異なる3種類をご用意しています。



下層を作ることで、上層の感触を活かしながら、安定した座り心地になります。
2層構造は、材料の種類で感触が変わることに加え、それぞれの層の厚みによってより細かな調整ができることが大きなポイントです。
自分好みの感触に近づけるコツは、こちらの記事でご覧ください!
ここまでのまとめ
ソファの座り心地づくりで最も重要なのは、いきなり素材を決めないことです。
1. 座面の厚み
2. 使用する人の体格・使用時間
3. 座り心地の好み
これらを整理したうえで、
① 1層にするか、2層にするかを決める
② 上層・下層の組み合わせを考える
この順番を守るだけで、DIYでの失敗は大きく減らせます。
続きの記事では
次の記事では、
- ・具体的な組み合わせ例
- ・「やわらかめ/中間/硬め」別の考え方
- ・体重や使用時間による選び分け
など、「どれを選べばいいのか?」を実例ベースで解説します。
後編もぜひご一読ください。




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